2025年10月13日月曜日

【チコリータ】ペーパークラフト完成!

 【チコリータ】のペーパークラフトが完成しましたっ!
 ダウンロードはこちらから

p_chicorita_v1.pdf

 A4用紙1枚で印刷できます。
 作り方は下記の続きを読むからどうぞ

2025年9月30日火曜日

【チコリータ】ベクター編集

  物理的な試作品はゴーサイン出ましたけど、細かいところはちょくちょく直してます。まだまだ未練が残るところはあるし、理想と比べれば80点くらいなので納得はしてません。なんか前の記事で納得したとか言った気がしますね、この記事別人が書いてるんだろうか。

 おおまかなテクスチャが描けたら展開図の線情報をSVGファイルにして出力しIllustratorで加工します。

 ペパクラデザイナーは画像ファイルのほかに、DXF,SVG,EPS,EMFといったベクター形式で出力できます。

 この中でも私はSVG形式がこれからの作業に適していると思います。

 DXF,EMFは線が折れている個所で切断されてしまい、後で閉じた面を作る際に接続し直さなければならず、SVGなら接続されたままなので採用しています。EPSは…よく分からない。ベクターではあるんだけど全体が画像っぽくなっててそもそも線を編集できない…?

 このSVGファイル模様などの画像ファイルをペパクラデザイナーからそれぞれエクスポートします。

 ではIllustratorの作業へ。1年くらい間を置いて2か月くらいサブスクしてるから操作方法を毎回忘れる。

 まずファイルを読み込ませるところなんですが、少々不便なところが2点ほど。

SVGファイルはA4サイズではない

 出力したデータは内容物の大きさぴったりのサイズなので、IllustratorでA4に配置(読み込み)する場合は余白を意識しなければなりません。印刷時に必要な余白さえ確保できればいくつでもいいかもしれませんが、私はペパクラデザイナーのデフォルト値の左15,右15,上15,下15mmを余白として、Illustratorのアートボードを180mm x 267mm(A4から30mm引いたサイズ)に設定して作業しています。

画像ファイルは紐づいていない

 SVGファイルにはテクスチャは付いてきません。なのでIllustratorでプロジェクトを作った後、SVGと画像の二つを読み込ませることになります。といっても画像の方はベクターを作成する際の位置の目安にしか使わないので、それなりの寸法があればOKです。

 それとちょっと注意点を。ペパクラデザイナーから画像を出力するときは「エクスポート>展開図:ページ毎」を選んだ方がいいです。基本的にA4から上下左右15mmを省いたサイズで出力されるのですが「展開図:単一ファイル」を選ぶと何か・・・何か違うサイズで出力されます。これが何らかの用途に適した出力方法なのか不明ですが、「ページ毎」なら180x267に合うのでこっちを使います。

 で、実際どのように整えるかというと

1.アートボードを「A4(余白を含んだ印刷用)」と「A4から余白を引いた大きさ(小さいA4)」で作る

2.画像ファイルを配置し、サイズを小さいA4に合わせる

3.SVGファイルを配置し、位置・サイズを画像ファイルに合わせる

4.ベクターを描きこんでいく(最後は画像ファイルを非表示にする)

 といった手順になります。

 なるほど、こういう手順だったんですね。いつも場当たり的に進めてぐだぐだになってたので、改めて手順を明文化できて助かりました。ありがとう!やっぱり別人いるな!?

25.10.11追記

 アートボード2個いりませんね!小さいA4は長方形のガイドで十分です。

2025年9月23日火曜日

【チコリータ】テクスチャを描く

  組み立て方に問題がないかを確認する試作品の設計。ようやく納得のいく形になりました。今回は7体くらいの試作で済みましたが、以前の作品では倍以上作ってましたね。自己満足だからいいんです、どれだけ時間かかっても。

 では「テクスチャを描く」具体的な手順を説明します。主にBlenderでの作業になります。

 設計しているモデルが左右対称のモデルであればミラーモディファイアを解除し、UV展開をします。展開の仕方は Conformal が良さそうです。あらかじめ試作品と同じ切り分け方になるよう辺に Mark Seam を適用し展開を行うと、ペパクラデザイナーでの展開とほぼ同じ形状で編集できます。

 モデルはとても少ないメッシュ数なので、通常のUV展開をするとどうしてもゆがみが発生することから、メッシュの比率を尊重してくれるこの展開方法が向いていると思います。

 UV展開が済んだら次はテクスチャを描く工程です。最終出力時にこのテクスチャを使う場合は本気で仕上げますが、私の場合最終出力はベクター形式で描き直すので模様の位置が分かる程度にしておきます。

 Blenderでペイントして

 ペパクラデザイナーに持ってく。

 念のためここでもう一度印刷して試作してみます。実は違うモデルを使ってましたーとか絶対避けたいので。

 それと印刷物の色味の確認も重要です。PCモニターと印刷物の色の見え方が同じであることはまずないので、少なくとも私の環境では意図したとおりの色にしたいと思います。みなさんのご家庭にあるプリンターはそれぞれ違う為、一様の仕上がりを保証することはできないのが心苦しいところです・・・。

 普通のペパクラ設計ならばここで印刷したり、PDFにしてから印刷したり、画像ファイルで出力してからレタッチして印刷して完成ですが、私の場合はこれをIllustratorで仕上げます。そちらは次の記事で。

2025年8月17日日曜日

【チコリータ】試作


 前回ペパクラデザイナーにて展開した型紙を印刷して試作してみます。

 とりあえず組み立てるのは不可能ではない。しかし作っている最中にも気になる点はあったり、仕上がりもきれいでないところがいくつもある。

・頭の葉っぱの付け根がきれいにならない
・頭の葉っぱの茎?と頭皮との接続がいまいち
・前足の強度を保たないとへにゃる
・しっぽ付近の貼り付け順はまだまだ考えるべき
・紙の特性により期待した形状にならず歪んでしまう

 今回は比較的単純な形状だったのでこれくらいで済んでますが、複雑なモデルの試作品はこうはいきません。多発する直すべき点が相互に作用し、試作しながら解決策を模索しつつも思考のキャパシティを超え集中力も低下し、無理やりにも完成しません(試作品が)

 この工程が一番大変な工程です。ZAまでに間に合うだろうか。

 あと試作品つくってみて発見したのですが、チコリータの葉っぱがエアコンの風で揺れて楽しいです。こういうのもあるので二次元の物理界への召喚はいいですね。エアコンの風量を中にすると吹っ飛んでいきます、紙なので。

2025年8月10日日曜日

【チコリータ】仮展開

 

 Blenderでモデリングしたモデルをobj形式にしてエクスポートし、ペパクラデザイナーで仮展開してみます。

 この工程で確認したいことは、「キチンと組み立てられるか」です。手順に無理がないか、仕上がりはおかしくならないか、後で作り方解説するときに誤解が発生しないか等々。

 以前の記事でも書いたように、この工程が一番大変です。ここが雑だと、ここから先の工程で修正したくなった場合、全部やり直し級の修正となるので悔いを(なるべく)残さないようにします。テクスチャや色の描きこみはこの工程に問題なければ進めます。

 この仮展開でチェックするポイントは以下

 ◇

・パーツが想定したページ内で収まるか

 高さ10センチほどのモデルなら大体A4サイズ1枚に収まってくれるのですが、これより大きくなると複数枚は確定。今回は大きさも程よく1枚でよさそうです。

 それとパーツの展開方法が変わると形状も大きく変わったりするので注意です。そうそうありませんけどね。

・パーツは切り取りやすい形状か

 小さくて複雑な形状は言わずもがな、結合できるパーツは結合した方が切り取りの工数は減ります。パーツが細分化して、どことどこが貼り合わせるとこなのかという迷子も減らせます。場合によってはあえてパーツ毎に分ける方法もあるので、ケースバイケース。

 私は個人的に面の真ん中をくり抜く方法(回の字の中の口の字を切り取る感じ)があまり好きではないです。今まで散々やってきましたけど。ハサミで切り取るのが難しくなってしまうのと、用途にもよりますが紙の強度が心配になってしまうのです。

・のりしろは貼りやすい位置、形状か

 のりしろの反対側の面に十分な面積を確保できるか、連続するのりしろは交互に配置できるか、こののりしろをあえて貼り付けないことで工数の削減は望めるか、など。のりしろに関しては考えることが意外と多いです。これらは別の機会に別の記事にまとめようと思います。

・折線は減らせるか

 初期設定だと平面に近い辺以外の辺にも折線が入ってしまうので、仕上がりに不要な折線を除去します。ただし折線が表示されていることで作りやすくなることもあるので、見極めが必要です。

 ◇

 あとはパーツをうまく用紙内に収められるように移動や回転をします。パズルみたいな感じですね。パーツだけをぎゅうぎゅうに詰めるだけでなく、文字列(パーツ名やのりしろの順番)や画像も入れる必要があるので、これも想定しながら敷き詰めます。まあ今は仮なのでそんなに考えてません。

 展開図が出来たら印刷し、試作品を作ってみます。

2025年7月10日木曜日

【チコリータ】モデリング

 

 モデリング工程についての記事です。

 ペパクラデザイナーに持っていく3Dデータを作成していきます。

 とりあえずはこんな感じでモデリングしてみましたが、このあとの試作品の如何様によっては大きく作り変えることになります。たぶん間違いなく。今まで最初に作ったモデルのまま最後まで行った作品はひとつもなく、「うおお傑作じゃん!ドヤァ!」となって玉砕される光景を何度も見てきました。

 作り始める前に、作るものの資料は欲しいですね。三面図とか。↑は三面じゃないけど。

 それではモデリング。いろいろ後のことを考えながらモデリングしていきます。

 おなかの面は作らない。私の中で「箱を閉じる作り」って勝手に言ってるんですけど、立体を密閉する構造というのは、最後の面を閉じるときにのりしろを両面から指で押さえられない欠点を持っているのです。アイディアによってはこれを克服できます。ただ今回はそれにチャレンジすると複雑性が増すことが予見されたので、見送ることにします。

 ペーパークラフトは基本的に可展面で構成されていて、丸みのある形状を表現するにはポリゴンを細分化するしかありません。しかし細分化すると作るときにパーツが小さくて大変になってしまいます。チコリータがすごく丸みのあるデザインなので完全再現は難しく、どうしても角ばった形になってしまいます。

 葉っぱの付け根部分どうしようかなぁ・・・。ちょっとこれで試作品つくってみてから考えよう。

 見えないものは作らない見せたくないものは隠す。見えないもの、おなかと、葉っぱの裏側ですね。厳密には見えますけど、

葉っぱの裏まで描いてあるリターン

展開図の面積の圧迫葉っぱの表裏をぴったり貼り合わせる工程の追加大きい面にのりをベタ塗することによる紙のシワ入り貼り合わせて硬くなった紙をチコリータの葉っぱらしく曲げることによるシワ入り陰でどうせ暗くなる部分への描き込みって本当にコレいるんか?感の発生」のリスク

を天秤にかけ、葉っぱの裏側は描かないようにしました。

 それと見せたくないもの。紙同士を貼り合わせたところのつなぎ目ですね。作り方によっては目立たないよう軽減もできますが、それでも目立つ。お顔にそれがあっては残念ですものね。つなぎ目は背面や他のパーツで隠れるところに配置しましょう。

 ここまで読まれた方は思うかもしれませんが、そうです

妥協!これに尽きる!

 妥協に次ぐ妥協!それでいて及第点をどう超えるか!なんなら及第点もっと下げるか!

 でもここまで手抜きするのは他の点で満足いくものにしたいからなのです。素材が紙という制約の中でどれかを選び取らねばなりません。キャラクターフィギュアだって柔らかさを捨ててあの造形を成しているんですから。(え、プニプニ素材のフィギュアとかあんの?最近のはすげーな・・・)

 切り分けるエッジに印(シーム等)をつけておくと展開図が少しイメージしやすくなります。

 ある程度の形になったら、obj形式でエクスポートします。特にエクスポートの設定はしてません。このobjをペパクラデザイナーで開いて次の展開工程に移ります。

2025年6月22日日曜日

【チコリータ】選定

「何を作ろうかな」「何なら作れそうかな」を選ぶ選定の段階の話です。

 支離滅裂に書きなぐったものなので、詳細は追記に書きました。これからする作業の展望をあらかじめ把握して作るものを選定するのは、挫折しないために必要なんです。まずは簡単なものから作っていきましょう。

 と言いつつ、これから始まるのは『私なりのペーパークラフト設計解説』であって『初心者向けペーパークラフト設計講座』ではないので、お間違えなきよう!

 今回は【チコリータ】を作ろうと思います。その理由は

  • デザインが簡単そうだから
  • 話題の新作ZAのパートナーポケモンだから
  • 台座無しで自立できそうだから

です。

 ZA発売の10月までに間に合えばいいな。また2年くらいかかるかもしれないけど、よろしくお願いします。

 前々から思ってたけどペーパークラフト制作の「制作」って、3Dモデルを展開図にする「制作」と、展開図を組み立てる「制作」があってややこしいから、前者を「設計」にして後者を「制作」にしようと思う!